お知らせ NEWS

医療コラム

ご本人にあう形で治療を進めましょう|スタッフ紹介・橋本 昌也 副院長

「ふくろうクリニック等々力」は、主にご高齢の患者さんを対象にしている「高齢者総合支援診療所」です。世田谷区・目黒区を中心に、ご自宅や施設に医師がうかがう「在宅診療」と、「外来診療」の両方を行っています。高齢の方の立場を考えた、きめ細やかな医療を、地域に提供しています。

橋本 昌也 副院長

1997年に東京慈恵会医科大学医学部卒業。パーキンソン病の研究にたずさわり、2008年に東京慈恵会医科大学医学系研究科修了。
「学生時代からサッカー部で、今も仲間とフットサルの試合を楽しんでいます。サーフィンも好きで、実家のある鴨川の海で波に乗っています」

高齢者のために集まったエキスパート

神経内科の橋本昌也医師は、「ふくろうクリニック等々力」で、施設や家を訪問する在宅医療と、週2日の外来を担当しています。
「私が担当するのは、おもに認知症の患者さんです。ここには5名の常勤医師がいて、それぞれ得意な分野がありますので、患者さんの病気、症状を考えて、みんなで相談しあって、担当医を決めています」
認知症の患者さんでも、がんや脳梗塞など、複合的に病気を持っていることもあります。「もしも、私一人しか医者がいなかったら、他の病気についてはわからないことがあるかもしれません。でも、ふくろうクリニック等々力では、『お年寄り』をキーワードにして、さまざまな科の医師が集まっています」
常勤医5人のほかにも、皮膚科、眼科、がんの緩和ケア、リハビリ、歯科など13人の非常勤医師がいます。さらに看護師、薬剤師、臨床心理士などのスタッフも在籍しています。それぞれの分野のエキスパートがつながって、ともに治療に加わります。
「多くの医師、スタッフがいることで、可能性が広がるし、アイデアも出てくるので、診療の質が高く保てていると思います」

“いつ、なにがあったのか”をくわしく

「認知症の診断には、病歴が大切です」と橋本医師は語っています。病歴とは、認知症ではないかと感じたのは、いつ、どのような出来事があったためか、ということです。
「具体的であればあるほどいいですね。『以前からもの忘れが気になっている』ではなく、『去年の8月頃に、前の日に買ったものと同じものを買ってきてしまった』とか、『2年前の3月頃から、とても部屋を散らかすようになった』というように、くわしい形で教えてほしいのです」
CTやMRIなどの検査では認知症は診断しにくく、この病歴が大きな決め手になります。
「病気はひとつとは限らないし、典型的な症状が出てこない人もたくさんいます。だから、情報が多いほうが正しく診断ができ、そうすれば、適切な治療が始められます」
認知症を疑って悩んでいる家族へ、橋本医師は「まずはっきりさせましょう」と、アドバイスします。
「先延ばしにして良いことは、ひとつもないと思うのです。病気なのか、病気ではないのか。病気なら何病なのか。今はどの段階にあるのか。はっきりすると、今後の予想がつけやすくなりますね。
病気によって、5年、10年単位で少しずつ進んでいくものもあれば、1年で一気に進むものもあります。早めにはっきりすれば、今後を予想して、いろいろなことが準備できます。
例えば、ご家族が気持ちの整理をしたり、金銭面の計画を立てたり、施設の入所を考えたり。施設に入るとしても、時間の余裕があれば、本人の意見を聞きながらゆっくり検討することもできるのです」

認知症はどんな病気かを学ぶ

患者さんには、家族と一緒に暮らしている方、1人暮らしの方、夫婦2人の方もいます。最初にクリニックにコンタクトをとるときも、本人が外来へ、本人が家族に連れられて、家族だけなど、さまざまなパターンがあります。発症まもない方、大きな病院で検査をしてきた方、遠い病院に通いきれなくなって訪ねてくる方もいて、「どんな形であってもかまいません」と、橋本医師は言います。
「まずはご家族で相談に来られるだけでもいいと思います。ただ、ご本人への診察がないままで、薬を出す、治療するといったことは難しいでしょう。病院に行くことを嫌がるお年寄りの方もいると思いますが、このクリニックでは医師が自宅へ診察に行くことが可能なので、活用してほしいですね」
橋本医師は「好きで認知症になったわけではないので」と、本人には病名は告げず、薬も「予防の意味で飲みましょう」と言います。しかし、家族には病気についてくわしく説明します。「ご家族の中にはショックを受ける方もいます。いろいろ思うところはあるでしょうが、次に進むためにも、現実を受け入れていかれるようです」
家族には、認知症という病気の原因や症状、治療、対処法について正しい知識を持ち、理解を深めてもらいます。薬の効果や特徴も説明し、副作用が出たら連絡するよう伝えます。そのための時間は十分にとるようにしています。

可能性を広げるため、まずつながりを

外来患者の多い大きな病院では、時間がないために病気のくわしい説明ができないこともあります。橋本医師は、「クリニックだと時間をかけられますし、自宅にも出向きますので、くわしくお話ができます。患者さんもご家族も、移動や待合の時間が少なくてすむので、メリットは大きいでしょう」と考えます。
「逆に大きな病院はCTやMRIを備えていて、その日のうちに検査をすることもできます。めずらしい病気も、たくさん医師がいる大学病院のほうが強みがある。要は、得意不得意がはっきりしているので、プランを立ててうまく使いわけていけばいいのです」
ふくろうクリニック等々力では、関連病院に紹介もできますし、以前、通っていた病院と情報交換したり、より専門的な病院、医師につないだりすることもできます。「まず、つながりができることが大事です。そうすれば可能性が広がるので、患者さんにあった形で治療ができます。気になることがあれば、一度、お話に来てくださるといいでしょう」

アクセスAccess

アクセスマップ

医療法人社団 創福会 ふくろうクリニック等々力
〒158-0082 東京都世田谷区等々力3丁目5-2
ヒューリック等々力ビル3階

電車 東急大井町線「等々力」駅より徒歩1分
バス 停留所:等々力「東98 東京駅南口/等々力(等々力操車所)」、「等01 玉堤循環等々力」

※駐車場はございません。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。

訪問看護ステーションふくろう等々力
〒158-0082 東京都世田谷区等々力3丁目5番11号
ライオンズマンション等々力第5-203号室