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医療コラムvol.2 大腿骨骨頭壊死について

医療コラム

リハビリテーション部医療コラムvol.2です。
今回は、股関節の疾患のなかでも大腿骨骨頭壊死という疾患についてお届けします。
大腿骨の骨頭は細い血管で栄養されていますが、大腿骨骨頭壊死は、この血管からの血流が不足することによって骨頭が壊死する疾患です。

・症候性大腿骨骨頭壊死:大腿骨頸部骨折などの外傷や放射線照射に伴って起こります。
・特発性大腿骨骨頭壊死:原因が明らかでなく、厚生労働省の指定難病に指定されています。原因として、ステロイド投与やアルコール多飲などが関係しているのではないかといわれています。

症状は、股関節の痛みとして現れることが多く、荷重によるストレスが繰り返しかかることで関節の圧壊が進行し、関節の変形や歩行障害をきたします。 治療は、保存療法(薬物療法、運動療法)と手術療法があります。
運動療法では、関節の柔軟性を維持するためのストレッチや股関節を支えるための筋力トレーニングなどを行います。 筋力トレーニングにおいては、負荷量や運動方法に注意が必要です。
また、前述したように関節への負担が圧壊の進行に繋がるため、杖や歩行器などの歩行補助具の使用を提案することもあります。

日常生活においては、関節への負担が少ない動作方法を習得することや、身の回りの環境を調整することも重要です。例えば、靴を履く際に深く股関節を曲げずに履けるように柄の長い靴べらを使用する、立ち上がりやすいようにベッドを高くする、などです。
大腿骨骨頭壊死は血流阻害によって起こるため、変形性股関節症より進行が早いのが特徴です。そのため、早期診断と治療が望まれます。 当院ではMRI検査が可能なため、早期診断とリハビリテーションの開始が可能です。 医師の指示のもとお一人お一人の状態に合わせて運動療法を行っております。 股関節の痛みでお悩みの方は、一度当院整形外科にご相談ください。