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医療コラムvol.6 手指や腕のしびれについて

医療コラム

リハビリテーション部医療コラムvol.6です。今回は、『手指や腕のしびれ』についてお届けいたします。

朝起きた時に、体の下になっている手がしびれる経験したことがあると思います。すぐに治ってしまう場合は、血行が一時的に悪くなったためのしびれであり、心配はありません。
ただ、持続する上肢のしびれがある場合には、しびれの部位や範囲、持続時間などにより、ある程度の原因を予測することができます。一時的な症状以外の場合は、放置せず、まずは受診してご相談ください。

今回は、手指や腕のしびれを生じる代表的な疾患について紹介します。

頚椎症性神経根症

【病態】
頸椎が変形することで神経が圧迫され、手指や腕に痛み、しびれや力の入りにくさなどの症状が出現します。
首の動きにより神経が刺激を受けるとしびれが強くなることがあります。
しびれの範囲は頸部~腕~手指と広く、放散するような症状となることが多いです。

胸郭出口症候群

【病態】
腕を挙げるような動作(洗髪やで電車のつり革につかまる動作など)で上肢のしびれを生じます。頸部~腕を通る神経や動脈が、筋肉や骨などで絞扼される(挟まれる)ことが原因です。
なで肩もしくはいかり肩体形、筋肉質の方などに多いとされています。

肘部管症候群

【病態】
肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されることで、前腕の小指側や手指の薬指や小指にしびれを生じます。加齢による肘の変形や、子供のころの骨折による変形、柔道や野球などスポーツが原因となることが多いです。

手根管症候群

【病態】
正中神経(手首の真ん中を通る神経)が手首にある手根管というトンネルで圧迫された状態でしびれを生じます。明らかな原因は不明ですが、妊娠・出産期や更年期の女性が多いのが特徴で、女性ホルモンの乱れによる滑膜の腫れが原因の一つと考えられています。
その他脳梗塞や脳出血などの脳神経由来、糖尿病などが原因となるしびれもありますので、症状を伺い、必要な検査を実施し、治療方針を決定していきます。

上記に挙げた整形外科疾患については、一般的には、まずは、内服やリハビリ、生活指導、安静が必要な場合には固定装具の使用で症状の緩和を図ります。改善が難しい場合には手術の適応となります。
リハビリテーション部では、医師の指示の下、原因となる姿勢や筋柔軟性の改善、弱化した筋のトレーニング、痛みやしびれを生じにくい動作の指導等を行いながら、症状の改善を図っていきます。

※写真は医師とのカンファレンス風景です。当院では医師とリハビリテーションスタッフとの定期的な連携の場を設けています。