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地域での認知症治療

当院は認知症専門医3名を擁し、認知症診療には特に力を入れています。

それは訪問診療に限らず、地域での認知症予防、物忘れ外来やよろず相談室による早期発見や早期治療、通院困難者への訪問診療や往診、介護施設での治療・ケアや終末期医療など広範囲にわたります。認知症の全ての病期に応じて必要な医療を提供できる体制をとっています。

地域における認知症診療には、「在宅入院」、「アウトリーチ」、「非薬物療法」の3つが重要です。

まず高齢者では、入院関連機能障害が起こりやすいことが知られています。認知症の方の場合、それまでの生活の場から切り離される入院治療は、それ自体が大きなストレスとなり、認知症の悪化、歩行障害、栄養障害を引き起こします。そこで当院では、充実した往診体制や多くの携帯型医療機器を持つことで、ご自宅やご施設にいながらにして、病状に応じて、出来るだけ入院と同じ治療を行う方針をとっています。その結果多くの入院が予防されます。これが「在宅入院」です。

認知症が疑われる場合、まずは物忘れ外来を受診していただき、心理検査や画像検査を行い診断をつけてから治療を開始するのが一般的です。しかし、そもそも認知症の方は病院に受診したがらないのが特徴です。その結果、診断が遅れ、困った事態になる方はいっぱいおられます。こういったケースは、区役所や地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)から依頼を受け、私たち認知症専門医が患者さんの元を訪れることで解決する場合があります。初めにきっかけを作り、関係性を築いた上で、徐々に治療へと進んでいくという形。これが精神科領域ではずっとおこなわれている、「アウトリーチ」という考え方です。

最後に残るのが、「非薬物療法」。認知症の専門医であれば、本当に大事なことは日常の生活を維持することであり、ケアやリハビリによって患者さんの状態が変わることは共通の理解です。しかし、外来診察の限られた時間で、患者さんの症状を詳細に評価したり、その発症メカニズムを分析し、有効な指導を行っていくのは難しいと考えます。その結果、とりあえずお薬に頼ってしまうということはあると思います。この地域にどのようなサービスがあり、どんな人がサポートをしてくれるのか。地域に密着しているクリニックであれば、お薬に頼る以前にそれを選択肢とすることが可能になります。また、当院自体も認知症カフェなどの集団療法や、臨床心理士によ個別療法の提供を可能にしています。

認知症の方のかかりつけ医として、残された人生をより幸せで豊かなものとするため、地域のみなさんと寄り添って、一緒に歩んでいきたいと考えています。