医療コラムvol.8 『膝関節』
リハビリテーション部医療コラムvol.8です。 今回は、『膝関節の痛み』についてお届けいたします。
変形性膝関節症
膝の痛みを生じるものとして、よく知られているのは変形性膝関節症です。これは関節軟骨がすり減ってしまい、基本的には関節に体重がかかった際、すなわち歩き始めや立ち上がった際に痛みが生じます。痛みがない初期では痛くて正座ができないなどの関節の曲がりにくさの症状があります。
ではそれ以外に膝の痛みが生じるものとしてどのようなものがあるでしょうか。
関節リウマチ
自己免疫疾患(自分の身体の一部を自分のものではないとして、これに対する抗体を作って反応を起こしてしまう病気)で様々な関節の炎症が生じます。膝にも炎症が起こることがあり、早期診断・早期治療が重要です。膝の痛みや腫れ以外に手や足の変形や痛みを伴っている場合があります。
急性関節炎
急に膝が腫れて、熱を持つなどして痛くなった場合は偽痛風、痛風、化膿性関節炎といった病気の可能性があります。
1)偽痛風
関節内にピロリン酸カルシウムという結晶が沈着して起こるもので、加齢と脱水が原因と言われています。治療には消炎鎮痛剤が用いられます。
2)痛風
尿酸ナトリウムの結晶がたまると起こる痛風発作が起こった場合に痛みが生じます。尿酸値が高いと起こりやすく、消炎鎮痛剤で痛みや腫れが落ち着いた後は尿酸を下げる薬を内服して再発を予防します。
3)化膿性膝関節炎
身体のどこかの場所で感染した菌が血流に乗って膝に到達することで起こります。治療が遅れると全身に菌が回ってしまい生命に関わる事があります。
これらのように一言で「膝が痛い」という症状でも様々な原因があります。特に「ぶつけてもいないのに膝が腫れているし痛い」という症状があれば早めに医療機関に受診することをお勧めいたします。
当院では…
当院では整形外科だけでなく老年内科の診療も行っているため、内科的な問題があれば連携して診療することが可能です。複数科の一体的な診療をご希望される方のご来院もお待ちしております。