医療コラムvol.5 腱鞘炎について
リハビリテーション部医療コラムvol.5です。 今回は、腱鞘炎についてお届けいたします。
腱鞘炎は主に手指や手首に起こりやすく、パソコンでの作業や楽器の演奏など手指をよく使う人や更年期以降の女性、妊娠・出産期の女性に起こりやすいと言われています。
初期症状は「痛み」と「腫れ」です。
主に親指に起こることが多いですが、どの指にも起こります。
手指の腱鞘炎が進行すると、指を伸ばそうとするとカクンと跳ねる「ばね指」の症状が出ることもあります。
ばね指を放置すると、炎症が進行し、重症化すると指の動きが制限されることがあります。悪化する前に、整形外科・手外科などの医療機関を早期に受診することが大切です。
どのような治療法が適切かは、医師が方針を決定いたします。
腱鞘炎の治療の基本は「薬」での治療と「安静」です。
まず薬には、塗り薬・貼り薬・飲み薬の痛み止めがあります。
痛みが強い場合には、炎症が生じている部位に直接注射します。注射から2~3週間以内に症状が改善し、注射の効果は3か月~半年ほど持続することが多くみられます。
もうひとつの基本は安静にすることですが、手の使い過ぎが原因なので、出来るだけ安静にすることが基本となります。
軽度の場合には、炎症が解消するまで安静を保ちます。
どうしても腱鞘炎のある側の手を使わざるをえない時は、適度かつこまめに休憩を取ることが大切です。特に長時間手を使う場合(パソコン使用など)は時間を決めて休憩を取ることが望ましいです。
また安静を保つための手のサポーターの装着や湿布の使用もお勧めしています。
炎症が改善してきたら、リハビリで適切なストレッチなどを行って症状を改善させます。
また腱鞘炎の治療で超音波治療器を使用する場合があります。
超音波は患部の浅いところから、深いところまで届くのが特徴で、超音波の振動・温熱により、血流増加を促進させ、炎症や腫れを軽減させる治療効果があります。
超音波は体には感じないほどの振動なので、痛みなどは感じません。
指の腱鞘炎に限らず、身体のどこかの痛みで悩んでいる方は、「これくらいで…」とがまんしないで、早期の受診をお勧めいたします。