診療内容 Service

更年期外来

当院老年内科では長年、物忘れ外来、ロコモ・フレイル外来に取り組んできました。その経験の中で、認知症の前段階はフレイルであり、フレイルの前段階はロコモであり、ロコモの前段階が腰痛、肩こり、膝痛であると実感しています。言い換えれば、40代、50代からの骨・関節・筋肉のメンテナスが、認知症予防につながると考えています。

しかし、なぜ40代になると腰痛、肩こり、膝痛が出てくるのでしょうか。40代というのはまさにからだの曲がり角。働き盛りにもかかわらず、からだには老化現象が始まる時期といえます。

その時、からだの中で何が始まっているかを詳しくみていくと、実は、さまざまなホルモン値の低下が始まっているのです。成長ホルモンは思春期を過ぎたら低下がはじまります。次にちょうど40歳くらいから男性ホルモン、女性ホルモンの低下が始まります。そして、男性ホルモンや女性ホルモンの低下は、ロコモやフレイルのきっかけになるばかりでなく、生活習慣病にも悪影響を与えます。このホルモン値の低下は、男女差、個人差が大きいこともわかっています。

これらのホルモン値は血液検査で調べることができます。もし平均的な低下よりも早く低下が始まっているとなれば、運動療法や漢方薬などの薬物療法、ストレス緩和などで低下を遅らせる手立てをとりたいところ。ホルモン値の低下の原因であり、症状が重い場合には、ホルモン補充療法も考慮されます。

 

【男性ホルモンが低下することで出現する症状=LOH症候群・男性更年期障害】

  1. 性欲の低下がある
  2. 元気がなくなってきた
  3. 体力あるいは持続力の低下がある
  4. 身長が低くなってきた
  5. 「日々の楽しみ」が少なくなったと感じる
  6. もの悲しい、または怒りっぽい
  7. 勃起力が弱くなった
  8. 運動する能力が低下した
  9. 夕食後、うたた寝をすることがある
  10. 作業の能力が低下した

※1と7の症状があるか、3つ以上の症状があれば疑う.
※その他、関節症、筋肉痛、発汗やほてり、肥満、メタボリックシンドローム、頻尿、不安、パニック、不眠、集中力・記憶力の低下など.

 

【女性ホルモンが低下することで出現する症状=更年期障害】

➀精神神経系の症状
→頭痛、めまい、不眠、不安感、イライラ感、うつ

②血管運動神経系の症状
→ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、動悸・息切れ、寝汗・発汗、むくみ

③皮膚・分泌系の症状
→のどの渇き、ドライアイ

④消化器系の症状
→吐き気、下痢・便秘、胃もたれ・胸やけ

⑤運動器官係の症状
→肩こり、腰痛、背中の痛み、関節通、しびれ、手指の痛み・しびれ・変形

⑥泌尿器・生殖系の症状
→月経異常、尿失禁、性交痛

担当スタッフ

理事長
山口 潔 Kiyoshi Yamaguchi