診療内容 Service

疲労・睡眠外来

最近疲れやすくなった、疲れが取れないという方。疲労は、このままほったらかしにしておくと良くないことが起こりますよと、体が教えてくれる大切なサインです。

疲労はさまざまな病気の結果出てくることがあります。まずは疲労の原因を医学的に調べることをお勧めします。中には貧血や睡眠時無呼吸症候群など、治療により疲労が明らかに回復する病気が隠れている場合もあります。

疲労の程度に応じた休養が必要となります。最も身近な休養が睡眠なわけですが、なかには十分な睡眠がとれていないという方もいるでしょう。睡眠障害に対しては、CPAP、心理療法、運動療法など睡眠薬以外の治療の選択肢も提案します。

 

当院老年内科では長年、物忘れ外来に取り組んできました。その経験の中で、認知症の前段階はフレイルであり、フレイルの前段階はロコモであることがわかりました。そしてその前段階では、さまざまなホルモン値の低下が起きており、更年期障害として症状が現れている方もいるようです。しかし、更年期障害は症状が出る方と出ない方がいます。ホルモンの低下だけでは、更年期障害は起きません。そこで注目されるのが、疲労であり、ストレスです。

40代になると社会的にも、家庭の中でもストレスがかかることが増えてきます。うつ病などのストレス関連疾患も増えますが、何とか予防できないものかと調べてきました。

近年スポーツ医学の領域では、アスリートのパフォーマンスを高めるためのトレーニング方法に加えて、リカバリーやコンディショニングに関する知識が増えています。その結果、トレーニングによりストレスがかかった時に、疲労が軽い段階で適切な休養をとれば、パフォーマンスがより高まることがわかってきました。

もちろんストレスがかからないことがいちばん良いのですが、たとえストレスがかかっても上手に休養しさえすれば良いのです。上手に休養するにはどうすれば良いかは、人それぞれ状況が違いますので、あなたに合った休養法を一緒に考えていきましょう。

40歳からのこころとからだのコンディショニング。これが将来の認知症予防に結びつくよう、今後も臨床実践を続けていきます。

 

疲労の原因となる疾患

1.臓器不全:肺気腫、肝硬変、心不全、慢性腎臓病

2.慢性感染症:ウイルス性肝炎、AIDS

3.リウマチ・膠原病:関節リウマチ、SLE、筋炎、炎症性腸疾患

4.血液・内分泌・代謝疾患:貧血、下垂体機能疾患、副腎疾患、甲状腺疾患

5.脳神経疾患:多発性硬化症、神経変性疾患、頭部外傷後遺症

6.睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群

7.うつ病、不安障害

8.慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎

9.治療副作用:骨髄移植、がん化学療法、放射線治療

担当スタッフ

理事長
山口 潔 Kiyoshi Yamaguchi