診療内容 Service

自動車運転外来

近年、高齢者の運転による交通事故が増えています。認知症、脳卒中、脳外傷、てんかんさらには心臓疾患、糖尿病、精神疾患を始めとするさまざまな疾患が、自動車運転に影響を与えることが明らかになっています。

危険運転致死傷罪第3条では「アルコールや薬物、若しくは運転に支障を及ぼす恐れのある病気の影響により正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を運転し、よって正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合」に致死で15年以下の懲役、致傷で12年以下の懲役とされています。患者の自己判断で自動車運転を行うことは非常に危険であり、医師による安全運転の可否判断は重要です。

一方で、これらの疾患をもつ方にとっても、自動車運転は、社会参加のための重要な手段です。リハビリテーションの立場から、運転再開においては、運転能力評価に関わる専門職間および当事者、ご家族の間で、安全運転に必要とされる一定の基準※を共有することが求められています。
※警察庁交通局運転免許課 一定の病気等に係る免許の可否等の運用基準

※公益社団法人日本リハビリテーション医府学会 臨床医のための脳卒中・脳外傷者の自動車運転に関する指導指針作成委員会編 脳卒中・脳外傷者の自動車運転易関する指導指針

※公益社団法人日本精神神経学会 患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン

※公益社団法人日本医師会 道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を 診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン

当院では、脳卒中、脳外傷、高次脳機能障害、認知症の方の医学的リハビリテーションを提供しております。脳卒中・脳外傷後、障害や症状を理由に運転免許が取り消された日から3年以内であれば、医師の診断書をもって学科試験・技能試験が免除され運転再開が可能となるとされています。高次脳機能障害や失語症などの長期間のリハビリテーションにより症状の改善が期待できる場合、医学的リハビリテーションを継続していきます。

病状とともに自動車運転に必要な身体機能、高次脳機能を評価しながら、運転の是非について根拠ある指導を行ってまいりたいと考えております。

担当スタッフ

理事長
山口 潔 Kiyoshi Yamaguchi